ストックオプションの課税問題の続き

	ストックオプションの課税問題-3
とうとう訴訟へ
	平成１４年１月２２日裁決書が送付された。審査請求を棄却するである。予想どうりと言うか、期待はずれというか・・原処分庁の意見を繰り返しただけである。（国税不服審判所・・・・９９%が国税内部の職員で構成されており中立的立場に立てる訳が無い廃止すべきである）（後日、経緯が判明しこの意見は訂正することとなる）
信義則について
	裁決文
	租税法規に適合する課税処分について、法の一般原理である信義則の法理の適用により、これを違法なものとして取り消すことができる場合があるとしても、租税法律主義の原則が貫かれるべき租税法律関係においては、信義則の法理は租税法規の適用における納税者間の平等、公平という要請を犠牲にしてもなお当該課税処分に係る課税を免れさせ、納税者の信頼を保護しなければ正義に反すると言えるような特別の事情が存する場合に、初めて適用されると解すべきである。
	これを本件についてみると、請求人は、本件ストック・オプションを行使することにより本件利益を得た後において税務職員の指導を受けて確定申告をしたものであるが、本件更正処分は適法であり、請求人が本来の納税義務を負担したことをもって重大な経済的不利益を受けたと言うことではできず、納税者間の平等、課税の公平という要請を犠牲にしてもなお、本件更正処分に係る課税を免れさせて請求人の信頼を保護しなければ、正義に反すると言えるような特別の事情があるとは認められない。　　そして、仮に本件更正処分を取り消した場合には、請求人のみが正当な課税を免れ、かえって課税平等の原則に反する不当な結果となることを考慮すると、本件について信義則を適用することは相当でないと認められる。
	信義則について税理士としての反論
	問題が２点ある
	①会社の創業時から関わりいわば創業者利益を含んだ株式の取得で、世間で言われていたストックオプションの行使とは似て非なるものであると判断していたので全ての書類を持参し、相談し判断を仰いだ事案であること。つまり株式の取得事実を認定していること。　②税務職員自身が記載した申告書に押印しただけであること。つまり従来は一時所得で指導が行われていたのではなく、一時所得で処理されていたことは紛れも無い事実を証明している。
	裁決に納税者間の平等、公平という要請を犠牲にしてもなお・・・・・とあるが納税者間の公平が保たれていないのは新聞報道などをみればその処理はばらばらであることが明らかである。　詳しくはお近くの税務署に！・・・・・そしてだまされた。　　われわれ税理士および納税者、国民全体が国家を信じ、課税の信頼関係のもとに生活設計をたて安心した生活を送ろうとしている。　　それが、本家である課税の所轄庁の指導に基づいて行われたにもかかわらず、いきなり予想外の更正処分が行われたのでは、今後すべての善良なる納税者はいつ納税義務が完了したか判断できず一日たりとも安心した生活を送れない事となる。
ストックオプションの利益は一種類ではない
①付与利益、②行使（購入）利益③行使（売却）利益が混同している
②については収入が伴わない俗に言われる利益であり、課税関係は生じない。それはそうであろう。将来売却予定の商品であっても、仕入れ先を比較して安価な方で購入できたからといって、他の仕入れ先より安く購入できた部分をもうけであるから税を納めなさいといっているのと同じである。